映画ツウの方に“エロいシーンがある映画”として
ススメていただき、DVDで「赤い影」を観た。
1973年のイギリス・イタリア合作映画。
原題は「DON'T LOOK NOW」(「いま見てはいけない」の意)」
原作はヒッチコック作品「レベッカ」、
「鳥」で知られるダフネ・デュ・モーリアの中篇小説。
後続のサイコスリラーものに影響を与えたと
思われる かなりカルトな作品。
サイコスリラーというか、ホラーというか、
ショッキングな映画だった。
なんの予備知識を入れずに観ると、
うぎゃあ~という驚きとその後の落胆で、
茫然とすると思う。
邦題にあるように「赤」が印象的に使われている。
フラメンコカラーでもある「赤」は情熱的とか
高揚させる色彩だが、この映画では「血」や
不吉な予感をさせる。
「水」も重要なモチーフとなっていて、
運河、池、雨など、水モノが象徴的。
水の都ベニス。
ベニスの古い街並が美しく幻想的なんだけど、
ラスト近くなると、かなり不気味に感じる。
かなり難解な映画であり、思わせぶりなカットが
たくさん出てくるし、登場人物全てが、
何か含んでいるような感じに見える。
後で、その“伏線”に納得してしまうのだが、
さらりと見ていると見逃してしまうかも。
で、“エロいシーン”は、
確かにエロかった!
といっても、設定としては主人公夫婦の営みなので、
ノーマル。
でも、執拗に長い。
濃厚という感じではないのだが、愛ある交わりを
感じて、とてもリアルな感じ。
ただ、ベッドでのマグワイと二人それぞれの着替えの
シーンがカットバックされ、いやらしさというよりも、
深い意図を感じる。
後で監督の解説の意図を聞くと、原作にはないシーンで、
より意味があることを知り、納得。
「トラウマ映画館」の著者でもある
映画評論家・町山智浩が「アメリカ映画特電」の
ポストキャスティングでも、この映画のことを
語っているのも教えてもらう。
アメリカ映画じゃないけど~って語り始めるのがおかしい。
イヤラシイシーンのある映画としては、
この映画がやはりあげられるらしい。