火曜日(8/26)ランチは香里嬢の
「good food kitchen CARDAMON 」へ。

この日のメニューは、
・ゆで豚のネギソース
・カボチャの鶏あんかけ
・蓮根とトウモロコシのきんぴら
・鶏レバーのマリネ
・たまごとトマトのスープ
・玄米ごはん

一品一品、手の込んだお料理は、
噛みしめて、味わって食べたい。
身体にも見た目にもやさしく、
美味しいお料理は、シアワセ。

横浜2日目は横浜美術館で、
「ヨコハマ トリエンナーレ2014」を観る。
 

美術家の森村泰昌がアーティスティック・ディレクターで、
「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」
というテーマを掲げて行われている。

横浜美術館は松井冬子展以来、2年ぶり。
エントランスが広く、ゆったりした素敵な空間。

シュールでこれぞ現代アート的なものから、
戦争とか社会的に忘却していは行けないもの等、
様々な「忘却」へのアプローチ作品があり、
人の感性の多様性を観られた。

館内作品でも、写真撮影OKのものもいくつかあり、
撮ってみた。
写真として切り取られるとまた違う印象にもなる。

 

横浜美術館前にも作品。
ヴィム・デルボア「低床トレーラー」


 

エントランスホールにあるのは
「アート・ビン」と名付けられた
巨大な芸術のための語も箱がある。
マイケル・ランディ作。
忘却されるの至った失敗は、
ふたたび創造的行為へと転換されるのだと。


 

福岡道雄の「飛ばねばよかった」。
ピンクのバルーンはため息をかたどったもの。
そして、後ろの壁にある黒い画は、
「何もすることがない」という作品で。
真っ黒い上に「何もすることがない」という
文字が小さな字で一面に羅列してある。
怖いっ。

「ヨコハマ トリエンナーレ2014」チラシ。
写真中央のオブジェはみなちみらい駅を
降りた所に飾られていたギムホンゾック作
「クマのような鋳造物-629」

 


ランチはランドマークタワーの
港の見える野菜のお店へ。
野菜を様々な調理法で提供する
ランチプレート。

 


★「松井冬子展 --世界中の子と友達になれる--」
(横浜美術館)2012.2.19
http://ameblo.jp/tsukikagenomai/entry-11175110101.html

土曜日(8/2)、ソレイユでの映画のはしご、
2本目は「her 世界でひとつの彼女」を観る。
 
「私の男」がかなりダークで、ぐったりしたので、
気分転換に、ハートウォーミングものかと
思いきや、こちらも意外に心が苦しくなる。

人工知能もの。

アカデミー賞脚本賞受賞ということで、
構成も絶妙で、気持ちの流れも自然な感じは
するが、ラスト近く、やや矛盾点が感じられた
ため、せつなさが半減してしまったのが、
ちょっと残念。

こういうテーマを観ると、やはり人は「心」で
恋をするのかなと思う。
心と体は連動しているし、
愛し合うのは肉体なのかもしれないけれど、
感じる「心」の部分が大事なんだろうな。


ネットが普及し始めた頃、
心が辛くなる出来事があり、
ネットの世界でチャットにハマっていた時期がある。
ネットの向こうには生身の「人」がいるのだけど、
ディスプレイに出てくる「言葉」だけで、
救われたり、ネット上でも会話を
することで、いろいろ感情がわきおこることもあった。

だから、この映画の主人公の気持ちはよくわかる。
カウンセラーでもコーチングでも、
「対話」の及ぼす影響が大きいことも。
そして、また「声」の魅力も。

しかし、映画で「声」だけの難しさも感じて、
画が単調だと、途中少し眠くなりそうにもなる。

 

土曜日(8/2)はソレイユにて、映画のはしご。

一本目は「私の男」。
 
禁断のとか衝撃的というよりも、
精神的にとても壊れていて痛々しさが漂っていて、
観るのがつらい。

生い立ちや過去の不幸な出来事により、
心が壊れてしまうということは否めないけど、
だからといって、その限られた愛を
貫くということを正当化して
こんな風に生きていくことは悲しいことだ。

小説だと心情が語られるから、
その行為もわかるが、映像で見せられると
それはただただ奇怪である。

原作は未読だが、読書会で原作を読まれた方が
要約して話してくれていたので、心構えは
できていた。
原作とは少し設定が違っていたみたい。

時系列と場所や妄想と現実の境目がわかりにくく、
映画ならではの演出が逆効果ではと
思うシーンがいくつかあったり、
肝心なところでの台詞が聞き取りにくかったりと
思うとこはいろいろあったが、怖い映画だった。

ダイヤまピアス、赤いマフラー、眼鏡と、
小道具が効果的に使われていて、
それぞれ意味を持ち、観る子人にその効用を
委ねている。

淳悟(浅野忠信)の元カノの小町(河井青葉)との
ラブシーンはエロかった。
二人のからみのアップは身体があまり見えないように
しているのだが、後ろの鏡には身体が見えるという
アングル。
二階堂ふみの若い肉体とは違う、オトナの女の身体。
そして、深く反応する身体。
だからこそ、嫉妬にかき乱されるのだろうか。

浅野忠信のダメ男っぷり、二階堂ふみの壊れっぷり。
常道をはずれたことが愛なのか。
愛というものこそが常道を外れたものなのか。

高良健吾と藤竜也の使い方がゼータク!


パンフには、中条省平の
「『私の男』に見る神話的特質と物語構造の独自性」
という文が掲載。
さすが! とても興味深い分析。

出演者が「映画とは」
ということを多く語っている。

自主映画製作に関わっていると、
全の映画が映画つくりの参考になる。
インプットしたらアウトプットだ。

金曜(8/1)、映画の日は
「幕末高校生」を観る。
 
タイムスリップものは大好き。
おもしろかったけど、
時代のギャップが見どころの
タイムスリップものにしては、
それがやや弱かった感じかな。

タイムスリップの仕方は安易で、
オーソドックスな流れの
物語の構造の基本の行きて帰りし物語。

石原ひとみは、歴史の教師の役。
コメディにしているからか、
時代劇としての部分は
薄かった気がする。
西郷隆盛役の佐藤浩市が、
三谷幸喜の映画「ザ・マジックアワー」
みたいに西郷隆盛を演じている人に
みえたのがおかしかった。

石原ひとみは、お白洲シーンで、
後ろ手に縛られている姿がなまめかしかった。

月曜日(7/7)、映画のはしご2本目は
「マレフィセント」を観る。
 
ディズニー創立90周年記念作品ということで、
映像美の美しさと豪華さ、
衣装の独創性には目を奪われる。

そして、マレフィセントを演じる
アンジャリーナ・ジョリーの
カッコイイこと。
時にぞっとするほどの冷酷さを感じさせるが、
とてもチャーミングな面も見せ、妖精なんだけど、
とても魅力的な“女”として描かれている。

だから、本来「悪役」であるはずの彼女なのに
観ている人は共感してしまうであろう。
視点を変えるだけで、こんなにも物語に奥行ができ、
深い話になるとは、


おとぎ話は善悪がはっきりしているが、
人間は、善と悪の両方を持っていたり、
そこが曖昧だったりする。
それが人間のもろさであり、愚かなところかも
しれない。
たせから、ダークファンタジーかと思ったら、
けっこう人間クサい人情ドラマの要素があった。

ツイッターとかでは、百合と言われてるみたい。
確かにオーロラ姫とマレフィセントのやりとりに、
きゅんとくるシーンはあるが、
私はステファンへの純心な想いをずっと抱えて
いたのではないかとも思う。
ステファンとの戦いの後のシーンが、
とてもせつないんだもの。


「マレフィセント」パンフ。

 アニメ「眠れる森の美女」との比較も
おもしろい。


 
「DVD&ブルーレイでーた」7月号は
「マレフィセント」が表紙で、
特集は、
「AI人工知能が登場するSF映画」で、
「『トランセンデンス』にみる人工の可能性と
危うさ」や「AIが登場するSF映画20選」。


 

月曜日(7/7)、ハッピーマンデーなので、
映画のはしご。

1本目は「トランセンデンス」。
 
人工知能モノということで、期待してみたが、
なんとなく消化不良。
映像効果はすごいし、実際の最先端技術を参考
に作られているというビジュアルは近未来というより、
もうリアルな感じがする。

物語中に何度か出てくる台詞、
「自我は証明できるか?」゛

これが全体のテーマでもあるが、
脳から、思い出はデータベース化され、
インストールできるけど、
自我はどこにあるのだろうね。

神にでもなったかのような暴走は
仕方ないにしても、後半部分は、
人工知能という枠を超えてしまって、
もはや何でもアリになってしまってて、
テーマが薄れてきたようで、残念。

科学反対派のテロとの攻防も中途半端な
気がしたなあ。
どうせなら、甦りものモノの部分を
もう少しふくらませて欲しかったなあ。

だって、ちょっと途中で意識が数か所飛んで
しまったんだもの……。


 
チラシ


なんだかんだ言ってもパンフは売り切れだった
から、観客数は多かったのかな。

 

水曜日(7/2)、ソレイユにて
「そこのみにて光輝く」を観る。

  
 良い映画ではあったが、
生きていくことの辛さを感じさせ、
生きていく上での性を突きつけられる。
どよ~んとしてしまうが、
胸にじんとくるものはあった。

テーマも重く、全体的にグレーのトーンで、
夏の映画なのに照りつける太陽もなく、
どこか寒々しく、この世の果てのような感じ。

でも、すべてが最後のシーンを輝かせる
ためなのだろう。

全てを無くして、全てをさらけ出して、
何もかもが壊れてしまっても、
たった一つの光があれば、それは幸せなことで、
生きていくのに値することなのか。

姉を思う弟と弟に寄りそう姉。
そこにはとても共感して、涙がうるむ。

弟のキャラがとてもいい。
あいくるしく、救われる。

女性監督ならではの視点なのか、
男性を撮るアングルがとてもエロティックだった。

男性のお尻がアップになり、高速で動いた時、
うわっ、綾野剛ヤルなあ~と思ったら、
高橋和也のお尻だった。

シリアスなのだけど、この高橋和也が出るところは
思わず笑ってしまう。
あまりにイヤな奴で、ヤルことしか考えていないような
奴だから。
でも、千夏(池脇千鶴)が、達夫(綾野剛)に抱かれるシーンと、
中島(高橋和也)との対比がおもしろい。


 
パンフ

地味ながら、様々な角度からこの作品を検証。
セリフが聞き取りにくかったところが数か所あったので、
シナリオ採録なのがうれしい。


先月の「映画芸術」447号は
「そこのみにて光輝く」の特集。

主演三人のインタビューでは、いかに役を理解して、
取り込んでいったかの役者の思いが伝わる。

監督、脚本家らの原作者への思いや、比較なども
興味深い。

千夏の衣装のカラーは黒。
同じ黒でも素材とカメラ映りがいろいろ研究されたそう。
露出と恥じらいがちよっとした衣装でも表されていた。


 

月曜日(7/1)、映画の日なので、
「渇き。」を観る。

  
 原作を読んで、これをどう映画化するのか、
興味津々で観たが、凄かった。

園子温監督もつきぬけ度も半端じゃないが、
この中島哲也監督のつきぬけど度も豪快。

「告白」の静かな狂気と
「嫌われ松子の一生」のポップさを合わせ、
より個性的にした感じ。

原作も現在と過去が交互に章で分けられるが、
映画も過去と現在が交錯し、
その上に、現実と妄想が入り乱れて行く。

ダークな内容とは裏腹なおしゃれなオープニングとか、
過去の少年のシーンでのCG映像とかは、いい感じで、
好きなのだけど、あまりに斬新な映像効果は、
ちょっと頭がくらくらしたりして、
映画というより、映像だなと思ったりする部分はあった。

バイオレンスなので、エログロシーンは強烈。
変態性に関しては、ライター業で培った変態免疫が
あるので、大丈夫だけど、暴力のシーンは、
痛さ、辛さ、苦しさで、何度か、目を覆ってしまった。


コミュニケーションを「暴力」でしかとれない
元刑事のロクデナシ親父 藤島を役所広司が
怪演。
ワイルドという言葉では語れないほどの
圧倒的存在感とタフさと凄まじき狂気。

人は感情や情があってこそ人間であり、
情を無くしたらヒトでしかないのか。
感情を無くしたヒトは、残酷になり、人を傷つけることも平気。
だけど、感情があふれ過ぎ、愛しすぎてるからこそ、
傷つけてしまうこともある。

この ねじれた愛のカタチは痛いほどわかる。
傷つけあうことでしか愛を確かめられないことも。
いつしか主人公のに自分を重ねていた。
だから、ラストには胸がしめつけられた。



 

「渇き。STORY BOOK」
シナリオと、原作者の書下ろし小説掲載。
監督と原作者対談もとてもおもしろい。

シナリオの柱に現在は○、過去は●として
表記されている。

登場人物たちのはいけい状況などを映画では
あまり説明していない。
脚本の段階では書かれていたらしいが、現場で
削除してしまった部分が多く、あえて、見せないように
したと監督が語っていた。
娘 加奈子の性格までも映画では曖昧にしている。
説明せずとも役者の存在感と監督の演出で
伝わってくるものは多い。

 
原作本。
中盤まで一気読みさせるスピード感。
ミステリーとしての要素がひきつけるが、
全貌が見えてきたあたりから、読むのが辛くなったが、
最後まで見届けなければと、かみしめて読み終えた。


 

 

土曜日(6/21)は「超高速! 参勤交代」観る。
 
おもしろかったあ~。
ドタバタしてるだけかと思ったら、
しっかりした時代劇で、笑って、泣けて、
とても楽しめた。

白馬に乗った王子様ならぬ
お馬に乗ったお殿様の要素もあり、
佐々木蔵之介がかっこよく、
深キョンもセクシーで美しかった。

群像劇のよさもあり、各々の見せ場があり、
きっちりとした伏線もきっちり処理していた。
アクションも思った以上に本格的だった。

さすが、城戸賞で近年最高得点で受賞した作品
だけあって、シナリオが見事。
福島の震災を見に行った直後に脚本を
書いたというだけあって、福島へのエールが
随所に感じられた。

そして、アイデアもとても効果的に生きていた。
時代劇でここまで、おもしろくできるなんて、
すごいなあ。
脚本のときは、もっと盛り込んでいたそうだが、
映画化にあたって、そぎ落とした部分もあると
いうから、サービス精神が旺盛なのたろうな。

観終わって、にっこりほほ笑む映画で、
ニマニマしてしまう。

 

 
今月「シナリオ」誌7月号には
シナリオと脚本家インタビュー掲載。